飛行機紹介

日本一優しいミリタリー系航空機図鑑

joe
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こんにちは!
じょーです!

いつも飛行機や自衛隊について、自分の経験談を交えながらできるだけ分かりやすくその世界をご紹介しています。

今回は「軍用機図鑑」です!

私が在籍していた海上自衛隊で活躍する航空機だけではなく、世界中で活躍する戦闘機をはじめとした軍用機について紹介しています。
いずれの航空機も、元自衛隊パイロットの目線で注目した豆知識などを込めつつ分かりやすくお届けしています。

飛行機についてよく知らない人からもう少し詳しくなりたい方などいろんな方にお楽しみいただける内容です!
民間機とは少々異なる軍用機の個性あふれる魅力について堪能してください!

この記事でわかること

・軍用機の種類と役割がわかる
・さまざまな軍用機の特徴がわかる

戦闘機

戦闘機は航空機を相手に戦うことが主な目的です。
飛行機としては比較的小型で軽快な動きをします。近年では対地攻撃なども行い、戦うフィールドが増えてきました。

急旋回を披露するF-15戦闘機。
急旋回を披露するF-15戦闘機。

F-2

航空自衛隊が運用するマルチロールファイター(多用途戦闘機)。
F-16戦闘機をベースに日米共同開発したので、見た目は非常に似ています。
F-16と比較すると、主翼などの面積を増やしつつ複合素材を多用して軽量化を図り、兵器搭載量の増加や旋回性能などが向上しました。

旋回するF-2A戦闘機。
旋回するF-2A戦闘機。
主なスペック

F-2のスペックは以下のとおりです。

全長15.5m 
全幅11.1m
全高5.0m
最高速度マッハ約2.0
(札幌から那覇まで約1時間)
搭乗員数1人(F-2A)、2人(F-2B)
配備基地松島基地(宮城県)
百里基地(茨城県)
岐阜基地(岐阜県)
築城基地(福岡県)

F-15 イーグル

航空自衛隊でも活躍する「世界最強」と謳われている戦闘機。
アメリカのマクドネル・ダグラス(現ボーイング)社が1970年代に開発し、アメリカ空軍や航空自衛隊などに配備されています。
日本では千歳基地(北海道)や那覇基地(沖縄)をはじめとした全国の基地に配備されています。

離陸する航空自衛隊のF-15Jイーグル。
離陸する航空自衛隊のF-15Jイーグル。

過去には、作戦中に主翼が片方吹き飛ばされても飛び続けて基地に帰還したというエピソードもあります。

主なスペック

F-15のスペックは以下のとおりです。

全長19.4m
全幅13.1m
全高5.6m
最高速度マッハ約2.5
(稚内から台湾北部まで1時間)
搭乗員数1人(F-15J)、2人(F-15DJ)
配備基地千歳基地(北海道)
小松基地(石川県)
岐阜基地(岐阜県)
新田原基地(宮崎県)
那覇基地(沖縄県)

Su-30 フランカー

F-15のライバルとしてファンの中では有名なロシア製の戦闘機。
徹底的に研究された空力性能から生まれたフォルムは、アメリカなどで造られた戦闘機とは異なる滑らかなフォルムが特徴です。

旋回性能の高さは世界最高峰で、セールスもF-16戦闘機に次ぐ1600機以上も売れています(2022年時点で世界第2位の生産数)。

訓練を終えて整備を行うSu-30MKI。
訓練を終えて整備を行うSu-30MKI。Photo by US Air Force

日本にはいませんが、2023年に航空自衛隊と共同演習のため、インド空軍の機体が来日したことがあります。

主なスペック

Su-30MKIのスペックは以下のとおりです。

全長21.94m
全幅6.35m
全高14.70m
最高速度マッハ約2.3
搭乗員数2名
詳しく知りたい方はココ!
【航空機図鑑】F-15のライバル Su-30MKI
【航空機図鑑】F-15のライバル Su-30MKI

F-14トムキャット・F/A-18 E/Fスーパーホーネット

映画『トップガン』シリーズの主役である2機の細かな描写は、機体を知るとより深く知ることができます。あんなシーンやこんなシーン、実は本当だった?!

任務のため発艦するF-14トムキャット。
任務のため発艦するF-14トムキャット。Photo by US NAVY
展示されるF/A-18 E/F スーパーホーネット。
厚木基地日米親善春祭りで展示されるF/A-18E/Fスーパーホーネット。
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ダッソー ラファール

フランスのダッソー・アビアシオン(Dassault Aviation)が開発した第4.5世代戦闘機。フランス空軍及び海軍の戦闘機たちの後継機として開発されました。

着陸態勢に入るラファールB戦闘機。
ブレイク(編隊解散)し着陸態勢に入るラファールB戦闘機。

空対空戦闘や対地・対艦攻撃ができるヨーロッパを代表するマルチロールファイターで、同世代の他の戦闘機とは異なり核ミサイルの運用能力が可能です。

フォルムはヨーロッパ製では定番のカナードつきデルタ翼で、ユーロファイターやグリペンよりも曲線が多いところが特徴です。

主なスペック

ラファールのスペックは以下のとおりです。

全長10.9m
全幅15.3m
全高5.3m
最大速度1.8M
航続距離約3700km(2,000NM)
エンジンSnecma M88ターボファンエンジン(75kN)×2
詳しく知りたい方はココ!
【飛行機紹介】フランスの万能戦闘機 ラファール
【飛行機紹介】フランスの万能戦闘機 ラファール

戦闘機の「世代」について

第2次世界大戦後に生まれた戦闘機は、年代や能力別に「世代」があります。

第5世代戦闘機の代表格F-35ステルス戦闘機。
第5世代戦闘機の代表格F-35ステルス戦闘機。

もともとは商業目的で生まれた言葉でしたが、判別などが容易になったので定着しています。

ちなみに実用化している戦闘機で最新の世代は「第5世代」になります。

詳しく知りたい人はココ!
【飛行機の基礎知識】戦闘機の「世代」とは?
【飛行機の基礎知識】戦闘機の「世代」とは?

爆撃機

爆撃機は、非常に多くの爆弾やミサイルを搭載し敵陣深いところへ攻撃を行う飛行機です。
中には核兵器を搭載できるものもあり、多くの兵器が搭載できることや長い航続距離などを要求されるため、必然と大型になります。
また、ステルス性や高速性などの工夫を凝らすため、特徴的な形状の機体が多いです。

アメリカ空軍が運用する代表的な爆撃機B-52H。
アメリカ空軍が運用する代表的な爆撃機B-52H。核兵器の運搬能力を有する。Photo by USAF

B-21 レイダー

米軍の新型ステルス爆撃機で核兵器も運用でき、100機程度生産される予定で開発中です。
前身となるB-2爆撃機と同じように「全翼機」という独特のフォルムをしており、配備に向けて開発の真っ最中です。

B-21爆撃機のコックピット周辺。
B-21爆撃機のコックピット周辺。 Photo by USAF

デジタル・ツインをはじめとした新しいデジタル技術を積極的に導入し「第6世代航空機」とノースロップ・グラマン社は呼んでいます。

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哨戒機

哨戒機は、主に広大な海のパトロールや対潜水艦戦(対潜戦)を行う軍用機を指します。
ターゲットになる船や潜水艦は広大な海で活動するため、哨戒機には広大なエリアをカバーできるだけの航続性能が求められます。

またレーダーをはじめとした多彩なセンサーや通信機器を使用できるよう広い機内スペースが必要で、旅客機をベースに作られることが多いです。
最近では、中〜大型無人機の哨戒機型も登場してきました。

代表的な哨戒機P-8とP-3C
代表的な哨戒機P-8(左)とP-3C(右) Photo by US NAVY

P-3C オライオン

海上自衛隊では30年以上に渡り主力機として活躍する傑作哨戒機。世界17か国で採用される哨戒機のグローバルスタンダードです。

拡張性の高さから様々なアップグレードや派生型がたくさんいます。

P-3C哨戒機
飛行中のP-3C哨戒機。
主なスペック

P-3Cのスペックは以下のとおりです。

全長35.6m
全幅30.4m
全高10.3m
最高速度411kt(761km/h)
搭乗員数11名(任務時)
配備基地八戸航空基地(青森県)
下総航空基地(千葉県)
厚木航空基地(神奈川県)
岩国航空基地(山口県、派生型のみ)
那覇航空基地(沖縄県)
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P-1

P-3Cの後継機として海上自衛隊が選んだのは国産のP-1でした。
アメリカ海軍が採用したP-8とは異なるアプローチで開発された機体は、フライ・バイ・ライトを採用するなどハイテク機に変貌しています。

ウエポンベイを開いてローパスするP-1哨戒機
ウエポンベイを開いてローパスするP-1哨戒機。

また、驚きの方法で開発コストを下げました!

主なスペック

P-1のスペックは以下のとおりです。

全長38.0m
全幅35.4m
全高12.1m
巡航速度450kt(833km/h)
搭乗員数11名(任務時)
配備基地厚木航空基地(神奈川県)
鹿屋航空基地(鹿児島県)
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MQ-9 シーガーディアン

P-3Cなど従来の哨戒機ほどペイロード(燃料や武器などの搭載量)はありませんが、無人機の長所である「滞空時間」を活かしてレーダーなどを駆使して長時間洋上を監視します。

また、ミッションに応じてオプションのセンサーポッドを使うことで様々なミッションに対応できます。
日本では海上保安庁が購入し、北九州空港に配備するための準備が進められています。

洋上監視を行うシーガーディアン。 
洋上監視を行うシーガーディアン。Photo by US NAVY
主なスペック

シーガーディアンのスペックは以下のとおりです。

全長11.7m
全幅24.0m
最高速度210kt(約390km/h)
最高高度40,000ft(約12,000ft)以上
最大滞空時間30時間以上
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SH-60K

護衛艦をはじめ、水上で活動する様々な船にとって潜水艦は非常に脅威となります。
そのため、母艦の脅威にならない離れたところから潜水艦を探すため、SH-60Kをはじめとした哨戒ヘリコプターを乗せていることが多いです。

エンジンスタート中のSH-60K哨戒ヘリ。
エンジンスタート中のSH-60K哨戒ヘリ。

SH-60Kは海上自衛隊で活躍している哨戒ヘリコプターで、レスキューなども行うなど万能選手と言えるヘリコプターです。

主なスペック

SH-60Kのスペックは以下のとおりです。

全長19.8m
全幅3.3m(メインローター折り畳み時)
全高5.4m
最高速度139kt(約257km/h)
配備基地大湊航空基地(青森県)
館山航空基地(千葉県)
厚木航空基地(神奈川県)
舞鶴航空基地(京都府)
小松島航空基地(徳島県)
大村航空基地(長崎県)
鹿屋航空基地(鹿児島県)
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偵察機

敵勢力などを確認し情報収集をするため、カメラなどのセンサーを多く搭載しています。
実は軍用機に与えられた初めての任務は偵察で、第1次世界大戦から機動性の良さや高度を活かした視野の広さで活躍しました。

現在では無人機や偵察衛星などもいますが、収集する情報によって電子偵察機などの専門性の高い偵察機が現代も活躍しています。

RC-135S コブラボール

弾道ミサイルの発射の際ニュースで話題に挙がる電子偵察機。

ミサイルを追跡する光学センサーやレーダー、ミサイルから送受信される信号を受信するためのアンテナが装備されています。
アメリカ空軍のみ少数機を運用するが、必要に応じて様々な基地に展開するため、嘉手納基地(沖縄県)にもたびたび訪れます。

離陸するRC-135Sコブラボール。
離陸するRC-135Sコブラボール。Photo by USAF
主なスペック

RC-135Sのスペックは以下のとおりです。

全長41.1m
全幅39.9m
全高12.8m
速度M0.66
航続距離3,900NM(約6,500km)※無給油の場合
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RQ-4グローバルホーク

航空自衛隊でも導入された無人偵察機のグローバルホーク。
その見た目はコクピットが無い独特のフォルムはまるでエイリアンのようです。

無人機は総じて非常に長い時間飛ぶことができるという特徴があります。
その特徴を活かして、広大な地域やピンポイントの地域を衛星よりも柔軟な運用をしながら偵察できるという長所があります。

そのスペックや長時間飛べる秘密などを紹介します!

横田基地スプリングフェスティバルで展示されるRQ-4グローバルホーク。
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救難機

遭難した民間人や敵地で孤立した兵士を助けるレスキュー専門の航空機
ヘリコプターが多いですが自衛隊では飛行艇などがあり、災害派遣では必須の戦力です!

US-2

日本周辺の広大な海は、ヘリコプターや船だけではカバーしきれないエリアでの海難事故が発生することがあります。

そんな遠いところでもレスキューができるよう開発された飛行艇がUS-2で、波の高さが3mでも着水して救助ができる世界最高の性能を持っています。

滑走路へ向けタキシング中のUS-2。
滑走路へ向けタキシング中のUS-2。
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輸送機

大型荷物や兵士などを運ぶことに特化した軍用機。
機体の大きさは飛行機とヘリコプター関係なく大小さまざまですが、太い胴体が印象的。

C-130ハーキュリーズ

ロッキード・マーティンが開発した傑作輸送機。
航空自衛隊や海上自衛隊でも採用されており、人員だけでなく車両などの輸送もできる。
世界各国の空軍で採用されており、1000機を超える数が製造されています。

海上自衛隊が運用するC-130R。
海上自衛隊が運用するC-130R。
主なスペック

C-130のスペックは次のとおりです。

全長約29.8m
全幅約40.4m
全高約11.7m
最高速度約318kt(約590km/h)
搭乗員数6人+64~92人
配備基地厚木航空基地(神奈川県、海自)、小牧基地(愛知県、空自)

C-1

川崎重工が生産した日本初の輸送機
国内輸送用として開発され、短距離離着陸性能や機動性が特徴のジェット機です。
広報では、航空祭や体験搭乗などに積極的に参加しています。
31機生産され、訓練用電子戦機や実験機などの派生型もできました。

出発準備を行うC-1輸送機。
出発準備を行うC-1輸送機。
主なスペック

C-1のスペックは次のとおりです。

全長29.0m
全幅30.6m
全高9.99m
最高速度マッハ約0.76
搭乗員数5人+36~60人

練習機

パイロットの候補生に操縦技術を習得させることが目的の航空機。
そのため、比較的シンプルな構造であることと操縦性に変なクセが無いことが求められ、機体によっては小型のビジネス機を転用している機体もあります。

T-5

海上自衛隊のパイロット候補生が一番最初に乗る飛行機です。
比較的シンプルな構造ですがアクロバットもできるなど運動性も良く、海上自衛隊のアクロバットチーム「ホワイトアローズ」が使用しています。

下総航空基地の航空祭で展示されるT-5練習機。
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TC-90

T-5での訓練を終えた海上自衛隊のパイロット候補生が乗りこむ練習機です。
少し大型になってエンジンも2発に増えており、多発機特有の特性や操縦技術を学んでいきます。

下総航空基地の航空祭で展示されるTC-90練習機。
下総航空基地の航空祭で展示されるTC-90練習機。

実はキングエアC90というビジネス機を転用した機体でアメリカ製です。

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その他

ここではかなりニッチな用途の軍用機について紹介します。

訓練支援機

文字通り何らかの訓練を支援するための飛行機。標的を曳航したり、ミサイルを演じて飛行するなどを行い、艦艇や航空機の訓練相手になります。

U-36A

海上自衛隊が運用する訓練支援機。リアジェット36というビジネスジェットを改造して訓練機材などを搭載しました。
ジェット機ならではの高速性能を活かしてミサイルの模擬をするなどをしています。

主なスペック

U-36Aのスペックは次のとおりです。

全長14.81m
全幅12.04m
全高3.73m
最高速度マッハ約0.78
搭乗員数4人
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おわりに

ブログ版の航空機図鑑いかがでしたか?
まだまだ少ないですが、これから自衛隊機を中心に少しずつ増やしていきます。

今後は民間機版の図鑑も作っていきますので楽しみにお待ちください!
ちなみにこの記事を読んで、「パイロットになってみたいなぁ・・」と少しでも感じた方は下記の記事も読んでいただけるとすごく嬉しいです!

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    じょー
    ブロガー
    元海上自衛隊パイロットで現在は会社員。 自衛官を辞めたら、想像以上に知らない人が多いことに気づいたので、自衛隊や飛行機に関する話を独自目線で書き始めた。
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