【自衛隊のお仕事紹介】隊員の心身を支える~給養員~

お仕事紹介

こんにちは!ジョーです!

自衛隊を語る中で意外に身近な話題が「食事」のお話。

 隊員の原動力となる食事は前線部隊の次に重要視されています。今回はそんな「自衛隊メシ」とそれを作り上げる「給養員」についてジョーがお世話になった海上自衛隊を中心にお伝えします!

※アイキャッチ画像は海上自衛隊HPより出典

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任務中最大の楽しみ

 海上自衛隊は陸・空の自衛隊とは異なり、護衛艦や潜水艦の乗組員になる方は基本的に陸上の基地を拠点にして活動するわけではなく、一度出航すると数週間から数ヶ月単位で母港を離れます。

 その時、気軽にコンビニなどで弁当を買ったり外食をすることはできません。(入港中は除く)また、航海中は24時間休みなく船を運航しつつ任務やデスクワークをこなすので、常にストレス環境下に晒されます。

 私はP-3Cのパイロットでしたので、艦艇勤務は遠洋練習航海の時しか経験がありません。しかし、航空部隊とは異なるキツさは身に染みるように感じました。ちなみにP-3Cでは、1回のフライトの飛行時間が6~10時間程度と訓練や任務によって変わりますが非常に長い時間乗り込むことが基本で、やはりストレスのかかりやすい環境での業務でした。

 また、潜水艦では潜航中は音を発さないよう細心の注意を払いながら行動することと、日光を浴びることが全くできないため、護衛艦や航空機とも異なるストレスがかかります。

 そのため、ストレスが原因となる体調不良が起こりやすく、海上自衛隊では自衛隊発足前の帝国海軍の時からの教訓も活かして食事に対する考えは特に強いと感じております。

 食事によって栄養を摂取するだけでなく、おいしいものを食べてストレスの緩和や食事時間を一定にすることで時間間隔の維持など一言では終わらない食事によって得られるメリットはたくさんあるのです!

 例えばデートでいいレストランへ行ったり、旅行の時にご当地のおいしいものを食べに行くとすごく楽しいですよね?任務を行っている自衛官にとって、食事の時間を迎えるってそういう特別な時間でもあるんですね!

 また、娯楽になるものは多く置いていないので、私が現役の時は食事や運動をする時間がほんとに息抜きでした。

護衛艦の食堂で食事を摂る様子 海上自衛隊Twitterより出典

海上自衛隊の食事

 ここからは海上自衛隊の様々な装備毎の食事についてお話します!ちなみに私は飛行機だけではなく護衛艦や潜水艦も搭乗経験があるので、その時のお話も交えてお伝えします。

 海上自衛隊といえばやはりカレーが一番楽しみでした!!ご存じの方も多いかもしれませんが、船や基地ごとにレシピが異なり、それぞれの給養員が工夫を凝らしてカレーを作ります。

カレーに関しては別記事で紹介してますのでもしよろしければご覧ください!

金曜日はカレーの日!!|海上自衛隊カレー人気と歴史の秘密https://osintcatjoe.com/curry/

航空部隊の食事

 フライトの無い日は、基本的に基地内食堂で食べたり自宅から弁当を持参したりと隊員によって様々ですが、フライトのある時が別です。

 前述しましたがP-3Cでは6~10時間ほど飛行していることが多いので、フライト中に交代で食事を摂ります。

 飛行前点検の際、お弁当を人数分搭載して離陸するのですが、飛行中に食中毒を防止するため必ず2種類のお弁当を搭載して離陸します。(この対策は航空業界全般で一般的)また、お湯を沸かせるのでインスタントのコーヒーや味噌汁も用意してました。

 ちなみにP-3Cは任務時10人前後でフライトするので、各配置でどっちのお弁当にするのか和気あいあいと話したり譲り合ったりしていましたよ!

海上自衛隊のP-3C哨戒機
地上で展示される海上自衛隊のP-3C哨戒機

護衛艦の食事

 護衛艦は船の大きさにもよりますが、1隻で200名前後の乗組員が乗艦し勤務しています。また、任務の際は無補給で数週間行動することもあるため船の中に食堂を完備しています。

 そして、調理を担当する部署を給養班と呼んでおります。ちなみに陸上基地の食堂もこの給養班が調理をします。

調理中の給養員。 海上自衛隊Twitterより出典

 金曜のお昼に提供されることで有名なカレーのほかにも、和洋中問わず毎日3食栄養管理をしながら献立を考えて作ったり、戦闘配置になったら艦内の全員が戦っている中でもご飯を作ったり配ったりと大変なことも多々あります。

 また、護衛艦の厨房は火災防止のためガスコンロなどの火器はありません。ではどのようにして調理するかというと、艦内に張り巡らされた配管から供給される高温の蒸気で鍋や窯を温めるのです。

潜水艦の食事

 海上自衛隊で最もおいしい食事を提供するのはどこかと聞かれたら間違いなく潜水艦と答えます!正直、潜水艦の食堂で出される食事は全ておいしかった!

 本当かどうか分かりませんが潜水艦に配置される給養員は全国から精鋭が選ばれるなんて話もあります。少なくとも潜水艦の乗り組みができる身体的な適性は必要なので、希望していける配置ではないでしょう。

潜水艦の食堂でカレーを食べる様子 海上自衛隊Twitterより出典

 潜水艦の食事に関する豆知識で有名なものが食堂のベンチが食料保管庫を兼ねているということです。座面を開くと常温保存ができるイモ類などの野菜が実際にたくさん入っておりました!

給養員になるには?

 海上自衛隊で給養員になるには、日本海に面した京都府舞鶴市にある「第4術科学校」へ入校し専門の課程へ入る必要があります。

 航空自衛隊では福岡県の芦屋基地にある「第3術科学校」に同様の課程があります。

 それまでの流れとしては、自衛官候補生など(https://www.mod.go.jp/gsdf/jieikanbosyu/about/recruit/jieikankoho.html)で海上自衛官として採用され、適性検査や希望調査を踏まえて選ばれます。自衛隊へ入隊時に栄養士などの資格をもっている人はもしかしたら少し選ばれやすくなるかもしれません。

 そして、無事に給養員へ選ばれると数ヶ月にわたり舞鶴にある第4術科学校での教育を経て、艦艇などに異動しそれぞれの先輩隊員に教わりながらさらに腕を磨いていくのです。

フルーツカービングを行う様子。 海上自衛隊Twitterより出典

注目される海上自衛隊レシピ

 広報活動の一環で給養員の優れた技術を伝える場として「艦めし」のレシピが公開されることとなりました!

 基地周辺のレストランでカレーが提供されたりレシピ本が発売されたりと多彩なのでいくつか紹介させていただきます。

  • 艦めし:https://amzn.to/3yxycdz 海上自衛隊公式各基地などで人気のレシピを紹介!
  • お艦の味https://amzn.to/3CIaYTp 海上自衛隊の数ある自慢のレシピを秘伝の隠し味とともに紹介!!「安くて美味しくてボリュームも栄養も満点、日本の海を守る力めしを見よ!」
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