こんにちは!ジョーです!!
海上自衛隊のお仕事についてご紹介する企画も3回目になりました!!今回も海上自衛隊のマイナーですが重要な職種についてお話します。
そこで今回は私もやっていた「情報」というお仕事について取り上げます。すごくざっくりとした表現ですが、自衛隊には必要不可欠となる重要なお仕事です。
特に秘密が多い配置ですが、お伝えできる範囲でお話します。
「情報」という仕事
情報という仕事は「情報資料の収集、処理及び情報の配布、秘密保全、映像技術及び関連器材の整備を業務とします。」と自衛隊のHPでは紹介されていますが、他の職種に比べてかなりざっくりとした表現がされています。
正直なところ、自衛隊の広報担当でも分かっていない方が多いかもしれません。なぜなら、それだけ「情報」という職域は秘密を多く取り合うため、その詳細は同じ自衛官すら教えないのです。
ですので、情報というお仕事についてもう少し解説させていただきます!!
情報という職域で行う仕事は主に次の通りです。
- 情報収集と配布
- 秘密保全
- 関連機材の整備
これらについてもう少し詳しくお話します。
情報収集と配布
情報収集は様々なところからされています。例えば日々皆さんが見かけるニュースや自衛隊が行う警戒監視などから多くのデータが得られます。これらの情報を分野別で以下のように一般的には呼ばれています。
- ELINT(Electronic intelligence):電子情報(レーダーなどの電磁波から得られる情報)
- COMINT(Communication intelligence):通信情報(無線などの通信電波から得られる情報)
- OSINT(Open Source Intelligence):一般情報(インターネットなど一般公開されているものから得られる情報)
- IMINT(Imagery intelligence):画像情報(偵察衛星や偵察機などから撮影された画像から得られる情報)
ほかにもいろんな情報を取得しますが、情報職域ではこれらをはじめとした多くの情報を「突き詰める」ことと「まとめる」ことに特化した領域の仕事をすることが多いです。
上記の分野の情報を取得すると「配布」をするため、配布用資料の作成を行います。ここで注意すべきは「秘密保全」となります。
配布資料は配布先によって少しずつ開示する情報量が異なります。これは後ほどお話する秘密保全に関わっており、例えば皆さんがニュースで見かける「北朝鮮のミサイル発射」に関する発表も自衛隊の様々な情報部隊が取得した情報がたくさんありますが、大臣が記者会見で発表する内容は秘密区分を確認しながらお伝えしています。
https://www.mod.go.jp/j/press/news/2022/10/14b.pdf
この資料作成を行うために様々な上記の分野で特化した知識・技能を持ち合わせた「分析員」が活躍します。また、その分析員たちが作成した資料を組み合わせる幅広い知識・技能を持ち合わせた「情報員」がいることで質の高い情報資料が作成されます。
そのため、幹部自衛官では艦艇や航空部隊での勤務経験者、下士官(曹や士の階級がつく人たち)は入隊後からその職域へつくことが多く見られます。
秘密保全
情報保全は自衛隊が日々業務を行うにあたって最も重要視しているものの一つです。もう少し簡単に表すと「自衛隊が保有する秘密の守り方」です。情報漏洩を「しない」または「させない」対策となります。
最も有名なところで「特定秘密保護法」があります。これは自衛隊に限らず日本の行政機関が「我が国の安全保障に関する情報のうち特に秘匿することが必要であるもの」を特定秘密に指定して、情報分野で国ないし国民を保護することを目的にしています。
私もですが、退職した自衛官も当然情報漏洩した場合はその処罰の対象となります。
そのほかにも自衛隊の中でいくつも秘密区分が分かれており、これらを漏洩すると懲戒処分の対象になります。
そのため、「秘密保全」分野の仕事というのは隊員の秘密保全の状況を確認したり、作成される資料の保管・秘密に関連する機器の管理等事務仕事が中心になります。
関連機材の整備
情報という職域は何事も秘密に関わります。当然その情報のやり取りも秘匿する必要があり、その危機というのは暗号を含まれるものも多くあります。そのため、これらのメンテナンスも限られた人材で行われます。
おわりに
私も以前に自己紹介で情報部隊出身とお話しましたが、情報部隊はあらゆる自衛官の中で最も高度な秘密を取り扱う立場となります。
それらを漏洩しない資質と経歴、そして様々な分野で卓越した知識・技能を持っていなければなれません。
そのため、勤務地は情報本部のある市ヶ谷や「〇〇司令部」と呼ばれる部隊に集中しており、それぞれが部隊運用の頭脳となるために日々その能力を発揮しています。
ただし、秘密を多く抱えるため皆さんはおろか同僚の自衛官すらなかなかその業務のお話はできないことも多く、「あいつは今○○(勤務地)にいるらしいが、何やっているのかよくわからない。」と言われることもよくあります。
その隠されたベールは実際に勤務をしてみなければ分からないことが多いですが、私から言えることは「情報部隊を経験すると自衛隊だけでなく世界の見方が広がる。」ということです。
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