ご存じの方も多いですが、私がかつて勤務していた海上自衛隊では「金曜カレー」といい、金曜日の昼食にカレーを食べる習慣があります。
今回は知っているようで知らないカレー伝来の歴史について簡単にご紹介させていただければと思います!
ちなみに、インドから来たわけじゃないんですよ!!
カレー伝来の歴史について
時代は明治初期まで遡ります。このころ日本は軍隊をはじめとした様々な組織の近代化を進めておりました。日本海軍は日英同盟を結んだこともあり、イギリスから近代海軍の文化から戦術に至るまで多くの技術を学んでおりました。
しかし、技術などを習得していくこととは裏腹に「脚気(かっけ)」が流行っておりこの病気の根絶に苦慮しておりました。
脚気はビタミンB1の不足で起きる疾患であり、この時は判明していませんでしたが、江戸時代までは白米よりも玄米を食べることの方が一般的でしたので、ビタミン不足になることはあまりありませんでした。時代の変化とともに食事も欧米化が加速したことが原因(特にパン食や白米の導入)で脚気の流行に拍車がかかったともいわれております。
当時、海軍の軍医であった高木兼寛(たかぎ かねひろ)は脚気患者が士官と下士官で差があることに着目、さらに深く調べていくと食事の内容が異なることを発見しました。(当時はビタミンB1ではなくタンパク質の不足と考えられてました。)
そこで、脚気対策として考案されたのが給食へ「洋食」を導入することでした。
そのため、食事で不足していると言われていたタンパク質など栄養素を効率よく摂らせるため、野菜や肉類がふんだんに入っているカレーをイギリスから教わり食べ始めたと言われています。
といういうわけで日本のカレーのルーツはインドではなく「イギリス」なんですね!
金曜日がカレー曜日になった理由
一般的には「曜日間隔を失わないため」と言われておりますが、海上自衛隊のOB(特に古手の方々)は口をそろえて「その理由は違う」とおっしゃっております。
昭和初期のころはカレーが出ること自体は割と珍しく、規則的に出たわけではないと言われております。
かつて土曜の午前中まで勤務という時代があり(私が勤務しているときは既に週休二日制)、調理と片付けがしやすいカレーを昼食に出していたそうです。これが週休二日制を導入してから金曜日のお昼にスライドし習慣化したことで「金曜日はカレー曜日」となったみたいです。
ちなみに私は海上自衛隊を退職後も金曜日にカレーを食べる習慣は忘れられず続けています!(金曜日にカレーを食べないと体内時計が狂うのかイマイチ調子が出なくなります。)
まとめ
- カレーの伝来は日本軍内の脚気患者を減らすためイギリスから教わった洋食を給食で食べさせたことが始まり
- 「金曜カレー」は曜日間隔を保つために始めたわけではなく、業務効率化をしようとした結果習慣化した
とはいえ、金曜カレーという文化は海上自衛隊のPRにとどまらず現代社会で起きてしまう生活リズムの乱れなどを整える意味でも有効になってきたかと思います。
小難しい話は置いておくとみんな大好きで世の中の奥様も比較的家事の負担は少ないカレーはいろんな意味でこれからも可能性を秘めた食べ物かもしれませんね!
コメント