【パイロットを目指す方必見】航空身体検査の合格基準とは??

自衛隊の雑学

 

 こんにちは!
 じょーです!

 いつもは飛行機や自衛隊のことあまりよく知らない方に少しでも興味を持ってもらえるようブログを書いています。

 当サイトご覧いただいている方には、パイロットになりたい方や興味がある方がたくさんいるかと思います。

 今回は、そのパイロットになるために必ず行う「航空身体検査」について何をしているのか、合格基準はどれくらいなのかお話します。

 ただし、あくまで合格するための1要素でしかないので、身体検査は合格判定でもその他の試験などで不合格となる可能性がありますのでご注意ください。

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航空身体検査とは?

 航空身体検査は技能証明(いわゆる免許)を有するものが航空機に乗り込んで運航を行う者に対して行う身体検査のことを指すと航空法では規定されております。

 こちらに関しては「航空医学研究センター」という一般社団法人に合格基準や指定機関(航空身体検査が受けられる病院)などがまとめられていますのでご覧ください。

航空医学研究センター:https://www.aeromedical.or.jp/

 しかし、自衛隊に関しては法律の適用除外を受けており、「航空身体検査に関する訓令」という防衛省が定める規則で独自に診断する内容や合格基準決められています。(基本的には航空法等に定められている内容を準拠している。)

 今回は自衛隊で定められている航空身体検査についてお話します。

身体検査を受ける様子
身体検査を受ける様子。下総教育航空群Twitterより出典

普通の身体検査との違い

 そもそも航空身体検査は普通の健康診断と異なる部分は何でしょうか?

 それは主に「視力検査」の項目が多いという点と合格基準の厳しさにあると思います。
 なぜ視力検査が特に多いかというと、航空機のトラフィック確認などの見張りは目視で行うことが原則であったり、着陸などの運航判断は最終的にパイロットが視覚で得た情報を基に判断するからです。

 これは航空法第71条の2に下記のとおり規定されております。

航空機の操縦を行なつている者(航空機の操縦の練習をし又は計器飛行等の練習をするためその操縦を行なつている場合で、その練習を監督する者が同乗しているときは、その者)は、航空機の航行中は、第九十六条第一項の規定による国土交通大臣の指示に従つている航行であるとないとにかかわらず、当該航空機外の物件を視認できない気象状態の下にある場合を除き、他の航空機その他の物件と衝突しないように見張りをしなければならない。

航空法第71条の2 e-Gov法令検索より引用

 つまり、IMC(計器気象状態)で外の状況が目視できない場合を除いて安全確保のため見張りをしなければいけません。

 また、航空機の操縦は非常にストレスがかかる状況でマルチタスクをこなすので、比較的厳しい身体検査基準が設けられています。 

航空身体検査の合格基準

 自衛隊の航空身体検査の区分は「」と「」の2種類に分かれるのですがより厳しい「甲」の基準について抜粋しながら紹介します。

 もし原文をご覧になりたい方はこちらからご覧ください。

 ちなみに「甲」はパイロット等の選抜時などに行われる検査、「乙」は主に定期的に行われる検査を指します。

合格基準の詳細

 ここからは具体的な合格基準について紹介します。

身長・体重・胸囲

 身長・体重・胸囲の合格基準は下表のとおりです。

身長胸囲(下限)体重(下限)体重(上限・男性)体重(上限・女性)
158.0cm~77.5cm50.0kg71.5kg64.5kg
161.0cm~78.5cm50.0kg74.0kg67.0kg
164.0cm~79.0cm50.0kg76.5kg69.5kg
167.0cm~80.0cm51.5kg79.0kg72.0kg
170.0cm~80.5cm53.0kg81.5kg74.5kg
173.0cm~81.5cm54.5kg84.0kg77.0kg
176.0cm~82.0cm56.0kg86.5kg79.5kg
179.0cm~83.0cm58.0kg89.0kg82.0kg
182.0cm~84.0cm60.0kg91.5kg85.0kg
185.0cm~84.5cm62.0kg94.0kg88.0kg
188.0cm~190.0cm85.5cm64.0kg96.5kg91.0kg

呼吸機能・血圧等

 呼吸機能は肺活量、血圧等は血圧・脈拍・起立耐性をそれぞれ測定します。

呼吸機能肺活量
男性:3000ml以上
女性:2400ml以上
血 圧坐位で5分以上安静後
収縮期血圧:100mmHg~140mmHg
拡張期血圧:50mmHg~90mmHg
脈 拍安静臥位で1分間に100以下
起立耐性仰向けで5分以上安静後、
起立させて2分後の脈拍及び血圧が以下のとおり。
脈拍:1分間に120以下
収縮期血圧:90mmHg以上
拡張期血圧:50mmHg以上

視力

 視力は下記10項目となります

遠距離・中距離・近距離視力
遠距離視力裸眼視力:0.1以上
矯正視力:1.0以上
※裸眼視力0.2未満の方は、
-6.0~+3.0ジオプトリを超えない範囲の屈折率のレンズで
矯正視力1.0以上
中距離視力矯正視力:0.2以上
近距離視力矯正視力:1.0以上

※矯正視力で検査を受ける場合は屈折度が同一となる単焦点レンズによるメガネを使用してください。

斜位

 「斜位」とは両目で対象物を見ているときに片目を隠した際の対象物の見え方のズレを確認します。基準はマドックス法にて下記の基準以下と定められています。

・内斜位:10プリズムジオプトリ
・外斜位:6プリズムジオプトリ
・上斜位:1.5プリズムジオプトリ

輻輳近点(てんそうきんてん)

 輻輳近点とは対象物を近くに寄せていき(この時寄り目になりつつピントは合い続けている)、対象物が2つに見えだす点を確認する検査です。検査する方からは寄り目が離れる瞬間を見ており、合格基準は以下のとおりです。

・顔からの距離:100mm以下

眼球運動・色覚・夜間視力

 こちらは機能が正常であれば問題ありません。

深視力

 深視力は物の立体感や遠近感を測り、一般的には三桿法と呼ばれる方式で検査します。これは3つ並んだ棒がありそのうち真ん中の1本が前後に動くので3つ並んだところで止めてその前後のズレの平均値を測ります。

・2.5mの距離で3回測定し、平均誤差が20mm以下であること。

視野

 ペリメーターと呼ばれる器具を使い、点が見えた中心から角度を測定します。合格基準は下図のとおりです。

聴力

 聴力は騒音が50dB(A)未満の場所で、各耳についての聴力損失又は聴力レベルが次表の基準を超えないこと。

周波数
(ヘルツ)
500100020001000
聴力損失
(dB)
15151520
聴力レベル
(dB)
25252525

心電図・疾患等

 基本的には、「航空業務に支障がある」または「航空業務を行うことで悪化のおそれがある」疾患または機能障害があると認められると不合格となります。

※疾患例:がん、ヘルニア、心疾患、精神疾患等

おわりに

 航空学生のみならずパイロットを目指す方にとって最大の難関の1つではありますが、しっかり説明している記事がないかと思い書かせていただきました。

 何を行うか分かれば対策を講じることや医師などに相談ができると思いますので、ぜひ参考にしてみてください。

 ただし、ご理解いただきたいのですが航空身体検査はパイロットとして採用すべきか、パイロットとして継続できるのかを身体能力の面で判断する基準でしかないのでそのほかの理由で採用されなかったり、パイロットとして継続任用されない可能性もありますのでご注意ください。

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