こんにちは!ジョーです!
いつもSNSや当ブログご覧いただきありがとうございます!!
今回は「飛行機にまつわる雑学」ということで、意外に知られていない「飛行機の洗い方」についてご紹介します。
なぜ、飛行機は洗う必要があるのか?
飛行機を洗う理由は様々ありますが、本質的には「故障を防ぐ」または「不具合をいち早く」発見するために行います。また、これにより少し燃費が向上するという効果も副次的にあります。もう少し具体的な内容に入ると以下の通りです。
・美観を保つ
・塩分やほこりなどを落とす
・オイルなどの汚れを落とす
空港の展望デッキや近くの撮影スポットなど比較的遠くから撮影しているといつもきれいに見えると思うのですが、近くで見ると特に稼働する翼や脚部の付近はオイル汚れがあったり、比較的古めの型式の飛行機などはエンジンの排気が当たる部分に煤(スス)がつく等以外に汚れています。
そのほかには空気中の塵や黄砂など、飛行するコースなどで汚れる原因は様々です。
飛行機の洗い方
ハイテク技術の塊である飛行機の洗い方は意外にローテクです。
主な洗い方はなんと「手洗い」なんです!
なぜなら、航空機の表面はご存じの通り、細かい部分などは特に複雑な形状をしていることと、航空機の周辺に配置されているセンサーなどは水が入り込むと不具合の原因になりますので、細かい作業が要求されます。そのため、基本的には手作業で洗います。
過去に飛行機用の洗車機を使用していた時期もありましたが、多様な機種への対応や前述の通り細かい部分の洗浄は苦手だったので今では使用されていません。
飛行機の手洗いのやり方
飛行機を洗う際は手洗いを行うとお話しましたが、こちらの具体的なやり方について解説します。
1:センサー類や継ぎ目になる部分(濡らしたくない部分)をマスキングする
2:飛行機全体を水で流す→大まかにほこりを落とす
3:洗剤をつけたモップ(かなり長い!!)で機体の下からゴシゴシ洗う→上から洗うと垂れた洗剤が乾いてしまいかえって汚れてしまう・・・。
4:全体を水で流して終わり!!
おおまかな流れは上記の4ステップになります。
こちらの動画が非常に分かりやすいので是非ご覧ください!
私が主に搭乗していたP-3Cでは日常の整備作業というよりは、定期的に行う少し段階が上がる整備の前後に行っていました。さすがに大きい機体を毎日にように洗うのはできません。。
もう一つの洗い方 ~ウォッシュラック~
ただし、私がいた海上自衛隊など軍用機の世界では例外がございます。
それが「ウォッシュラック」と呼ばれる施設になります。
P-3Cを例にお話しすると訓練や監視飛行などで必ず洋上を長時間飛行する際、低高度で飛行することも多く、その際にプロペラで海水を巻き上げながら飛行します。そのため、飛行中も巻き上げた海水の影響で少しずつコックピットの前の窓も白く曇ってきます。(飛行中はワイパーをかけながら曇りを落とします。)
これは、巻き上げた海水に含まれる塩分が冷えて固まったもので、これを落とさないと機体の腐食が急激に進むため落とさなければなりません。
そのため、P-3Cなど海上自衛隊の実戦部隊で運用する航空機は着陸後必ずウォッシュラックへ行き機体全体を水洗いしてからランプインします。
ウォッシュラックでの洗浄は非常に簡単で、ウォッシュラック内の駐機位置で停止すると自動で予めプログラミングされた順番・タイミングで水が出ます。
あとは水の出方を見ながらエンジンの出力を調整してしぶきの飛び方をコントロールして機体全体へ水流を行き渡らせ、駐機位置までタキシングを再開します。
そして、駐機位置に来る頃にはプロペラの後流で水分が吹き飛ばされているのでエンジンを止めた後は必要最低限の拭き上げで洗浄終了です!
まとめ
今回は飛行機に関する雑学として「飛行機の洗い方」を紹介しました。
皆さんが普段触れているものと同じで飛行機も洗わなければ汚くなりますし故障の原因となります。また、普段からきれいにすることでオイルや燃料漏れなどの不具合をいち早く発見することもできるので非常に重要な作業の1つとなります。
しかしながら先ほど紹介した通り「手洗い」がメインとなり、人手や体力が必要なため非常に重労働です。また、日中は運航を妨げないようエプロンに駐機している飛行機の点検を中心に整備員が作業をしているので、民間機では基本的に夜に作業することが多いようです。
海上自衛隊など洋上を低高度で飛行する機会が多いところでは、ウォッシュラックを用いてできるだけこまめに塩分を落とし塩害の影響を最小限にする工夫がされています。
特に自衛隊の航空機を洗う姿は、一般公開ので見ることができる基地もありますので、大迫力の洗浄シーンをご覧ください。
ちなみに那覇基地では誘導路にほど近いところにウォッシュラックが設置されておりますので、飛行機に乗って滑走路へ向かう窓から見かけるかもしれません!
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