こんにちは!
ジョーです!
いつも飛行機や自衛隊について、自分の経験談を交えながらできるだけ分かりやすくその世界をご紹介しています。
今回は「航空祭などで遭遇する迷惑客とその対処法」をテーマに、私がこれまで自衛官、そして一人の飛行機ファンとして様々な立場で見たエアショー(航空祭)などから見た視点でお伝えします。
すでに空港や航空祭で空活を楽しんでいる方は反省材料に、初めて航空祭などに行こうとしている方は危機回避の参考にしてください。
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空活現場で遭遇する迷惑行為
この迷惑行為を紹介するにあたって、まず初めにXなどのSNSでアンケートをとったところ以下3つの迷惑行為に遭遇した方が多かったです。
・超望遠レンズを周りを気にせず振り回す
・過剰な場所取りをする
・日傘でつつく
また、ここには挙がっていませんが常態化していることとして、「持ち込み禁止(または制限)品を会場に持ってきたうえで使用している」ことです。
どれも大変迷惑なうえに危険なので、コメントを頂いた方の中には「危なくて子供を連れて行きたくない」といった意見もありました。当然の考えですね。
この代表的な迷惑行為についてもう少し掘り下げてみます。
超望遠レンズを周りを気にせず振り回す
写真のことをあまりよく知らない人でも「バズーカレンズ」とか「バズーカ砲」という愛称なら知っているのではないでしょうか。
これは一眼レフカメラの超望遠レンズ、特に600mmくらいの焦点距離で単焦点レンズ(ズーム機能がない代わりに画質良く写せるレンズ)を指します。
非常に高額ですが、遠くにいる被写体を高画質で撮影できるので写真愛好家では憧れの一本として、カメラメーカーでも特に人気のレンズです。
なぜ、飛行機をこのようなレンズで撮りたがるかというと「大きく綺麗に飛行機が撮れる」からです。
飛行機を撮るとき、基本的に撮影位置から被写体までの距離が離れていることが多いです。なので遠くを撮れる焦点距離が長いレンズを求めること自体は自然です。
ただし、この手のレンズは非常に大きく(長さ40cm程度)そして重いので(3kgくらい)、万が一当たってしまうと当然痛い!
ここで起きるトラブルは、「飛行機をファインダー越しに追いかけて周りの見学客にレンズを当ててしまうこと」です。
飛行機の動きに合わせて重量物が動くので非常に危険です。
本来は、カメラを持っている方が撮り始める前や展示飛行の最中に周りの気を配るべきです。
何かに当たってトラブルに発展させる方がその元凶であるカメラマンとは甚だ恥ずかしい話です。
超望遠レンズを買い替えることも検討しよう
また、このようなレンズは非常に高額だと前述しましたが、1本200万くらいします。
そのうえで人に当てて壊すという事態になっても、当然使う側の責任なので、人混みなどに配慮できないで使用するってどれだけ道具を大切にできないのやら・・・。
コロナ渦の時期に持ち込みレンズの長さ制限が始まったとはいえ、元凶はこのような行為が横行したからかもしれません。
ちなみに最近の超望遠レンズは、よりコンパクトになっている傾向です。
どうしてもそれを使って飛行機撮影を楽しみたい人は、道具の見直しを検討してください。
過剰な場所取りをする
会場の最前列にいられるよう、できるだけ誰もいない状態で会場入りしたり、障害物がない状態で飛行機を見たいという気持ちは多少分かります。
静かに並べばいいのですが、中には常識外れの行動に出る方がいます。
ここでは、イベント会場内外の2パターンに分けて「過剰な場所取り」をする迷惑客を紹介します。
個人的な見解として、これをやることで何かがより良くなることはありません。
最前列を確保してその場所に留まると、お手洗いなどの用事で離れようとしたら身動き取れないほど人が集まっているので不便極まりない状況に陥るからです。はありません。
イベント会場の外での場所取り
これは会場への入場ゲートで順番待ちの際に起きる事例です。
中には早朝から並んで、開門と同時に勢いよく入場(開門ダッシュ)する熱心なファンがいます。この中にブルーシートなどを使って場所取りをする方がいます。
今まで確認した最も悪質なケースは、バス会社で運航するシャトルバスの臨時バス停に前日から踏み台やブルーシートを置いて放置するという方法です。
ほかにも公道沿いの歩道にも同様の方法で場所取りをしている方がいました。
当然、運営者側や警察はそういう物は撤去しようとするのですが、その際に当事者が様子を見に来て逆ギレするそうです。
百害あって一利なしとはこのことです。
イベント会場の中での場所取り
航空祭に代表される日本のエアショーの展示エリアに指定席はや有料観覧席ほぼ存在しません。
なので、誰でも定められたエリア内なら無料で入場しイベントを楽しむこよができます。
ところが、これを独占したがる人が一定数います。「見たいものを見るのは当然じゃん」と思った人もいるのではないでしょうか?
これを達成するために、ブルーインパルスやお気に入りの飛行機の前にブルーシートやカバンなどをイベントが始まったとたんに広げ、さも自分の予約席のようにして占有する方が非常に多くいます。
ちなみに主催者側はそれを良しとはしていません。
これも、周りの方が「見えない」と苦情を告げると逆ギレされることが多いようです。
岐阜基地航空祭に現れた「モンスター」
前述の迷惑客で近年稀に見るモンスター客が現れ、会場を荒らしたとのことなので紹介します。
前提条件として、岐阜基地航空祭では指定エリア以外での「椅子及びレジャーシートの使用」は禁止されています。
今回の事案は私の知りうる限りでは最も悪質な内容でした。
確認している限りで整理すると以下のとおりです
①このモンスター客は使用が許されないエリアに椅子を持ち込んで使用した。
②これを発見した自衛官が注意をしたが、全く聞く耳を持たず言い訳を並べた。
③以降の展示飛行などに影響を及ぼすかもしれないと考え追い込まれた(推測)当該自衛官はモンスター客に土下座をしてお願いした。
④第3者(おそらく)無許可でその自衛官を撮影しSNSで発信、大炎上した。
モンスター対応への感想と考え
さて、誰が悪いかと言えば明らかにルールを違反している、使用禁止エリアに椅子を持ち込んだモンスター客ですね。
自衛官は基本的なスタンスとして、一般の方に対しては「守るべき対象」であり、航空祭には「来てくれている」というスタンスで接するので、何事も強制しないよう従来より教育を受けていました。
これはイベントのみならず、日頃から一般の方へ誤った力の使い方をしないようにするためのいわば躾だとこれまでの経験から解釈しています。
だからこそ「おねがい」しているわけですね。
そのため、この事案で「土下座してしまった自衛官の対応も良くなかった」という評価をしている人もいますが、個人的にはルール違反した観客とSNSに自衛官を晒した観客が悪いと思っています。
ちなみに、自衛官にも当然ながら肖像権がありますので、防衛省の対応次第では上記に挙げた2人に何らかの影響があるかもしれません。
事の顛末は分からないままになってしまうかもしれませんが、今後の航空祭の運営に対するきっかけになるでしょう。
日傘でつつく
夏場の開催が多い航空祭、熱中症や日焼け対策として多くの方が日傘を利用します。
年々熱中症のリスクが高まるうえに飛行場は一面舗装されているので日差しが照り返し、熱気が上るなど非常に暑いことはご存じの方も多いと思います。
ただし、人混みが多いところでは、傘を広げた際の「露先(つゆさき)」と呼ばれる飛び出した部分は不意に目元に当たる可能性がありますし、傘の先である「石突(いしづき)」も当たればけがをする恐れがあります。
一部の迷惑客はこれらを駆使して、自分が見たいものが見れないからと人をつついてどかそうとするようです。
怪我をするのは必至なので、最も気を付けるべき迷惑客の一種です。
広い会場内は歩いて移動するので、日傘よりも両手を空けられるアームカバーなどを活用した日差し対策をした方が有効です。
持ち込み禁止品を故意に持ち込む
はっきり言って、事前情報の確認を怠ったか自分勝手に「持って行っても注意されるだけだから大丈夫だろう」と解釈しているとしか考えられません。
どこの航空祭でも一定数いますが、仮に事前情報を確認していたと仮定すると文章の理解能力が極めて乏しいです。
この手の迷惑客は刺激すると逆ギレをしてさらなる危害を加える可能性があります。遭遇した場合はできるだけ避けましょう。
その他
上記までのようにあわや怪我させる大変迷惑な方々を紹介しましたがそのほかにもこんな迷惑客に遭遇したとのお話を伺いました。
・人混みに乗じてセクハラをする人
・人のカメラを見て機材マウントをとる人
・自分の知識を展示物の警戒に立っている隊員に長時間演説する人
セクハラする人は犯罪者だし、機材マウントとる人は一律で写真は下手(仮に多少うまくても人間性が伴っていないので評価されることもない)。
知識をひけらかす人は、絶妙に間違えていることを話すうえに聞いている隊員はその話題とは関係ない部署の方であることが多い。
そのため、サービスで相槌打ってくれていることを自覚して行動してほしいですね。
危険な迷惑客(ケガをする恐れあり)
・周りを気にせず超望遠レンズを振り回す
・過剰な場所取りをする
・日傘でつつくなどの暴力をふるう
要注意迷惑客(不快になる恐れあり)
・人混みに乗じてセクハラをする(ダントツキモい)
・人のカメラを見て機材マウントをとる
・自分の知識を展示物の警戒に立っている隊員に長時間演説する
航空祭でトラブルに遭遇しやすい場所
これまで挙げてきたエアショーなどで遭遇する代表的な迷惑客の例をご紹介しましたが、彼らにもいわゆる「生息地」があります。
ここでは主な生息地についてご紹介します。
この会場マップを見ながら迷惑系観客の生息地を想像しながら読み進めてみてください。
ブルーインパルスなどのメイン展示機の前
ブルーインパルスやF-15戦闘機など、飛行展示を行う飛行機は会場の最も目立つところに配置されます。
イベントにもよりますが、大抵の場合エプロン(駐機場)地区をコの字に区切って、正面にあたる部分に飛行展示する飛行機を並べています。
場所取りをする人は、ここにブルーシートやハード系のカメラケースを使って自分だけ良く飛行機が見えるようにポジション取りをします。
ここで見たい理由は、普段は見られない飛行機がエンジンをかけて滑走路へ向かい出ていく姿の一連の流れが見られることです。
たしかにパイロットと整備員がハンドシグナルを駆使してやり取りする姿はカッコいいので、より近くで見たいことは理解できます。
しかし、航空祭ではいろんな飛行機の展示があるので、場所取りをしても気づいた時には身動きができないほど人に囲まれてしまいます。
なので、かえって不便になることも多いです。
ちなみに空港の展望デッキだと、離着陸の瞬間を写真や動画で映したい方は、デッキの端っこ(空港による)に陣取るところをよく見かけます。
私はそういう人を皮肉を込めて「空港のヌシ」と呼んでいます。
航空グッズの売店周辺
売店エリアの中にはミリタリー系グッズの専門店がいくつも立ち並びます。この系統のグッズを専門に取り扱うお店は全国的に多くはなく、中にはイベント当日しか店頭販売しないことも多くあります。
なので、グッズ収集が好きなマニアは血相を変えて品選びをしている場合があります。
よくアニメなどで見られる目当てのセール品を我先に奪い取ろうとする場面と似たような感じです。
最近ではネットでも販売されることも多いので、万が一買えなくでも大丈夫です!
迷惑客の主な生息地
・ブルーインパルスをはじめとしたメイン展示機の前
・売店エリア(特にグッズ)周辺
万が一、トラブルに遭遇した場合の対処法
これまで空活でよく見られる迷惑客やその分布を紹介しましたが、ここからはそんな人たちに遭遇してしまった場合の対処法について紹介します。
答えはシンプル!「逃げる」。
望遠レンズ振り回して人に当てて逆ギレしたり、場所取りして指摘すると逆ギレしたり、自分が見たいもの見えないから日傘でつつく等、相手は自分勝手かつ危害を加えることに関して何も思っていません。
数多い迷惑客でも非常に危険な部類なので、まずは身を守りましょう。
逃げられないと感じた場合は、助けを求めましょう!
最近の航空祭は、観客の民度の低下が顕在化しているので、防犯ブザーをもっていてもいいかもしれません。
ただし、レンズを振り回して当たってしまう場合などは単純に周りが見えていない場合があるので、「すみません」と断って注意し、謝るなりの対応をしてきた場合はお互い冷静な対応に心がけましょう。
迷惑客に遭遇した場合、相手に何を言っても通用しないので無理せずその場から逃げましょう!
空活トラブルを無くすための改善案
ここまで出てきたトラブルについて、このままにしてはせっかくのイベントが縮小されたり、無用な制限ばかり増えてしまいます。
しかしながら、周りに迷惑をかけたりけがをさせる原因は無くすべきですので改善案を個人的に考えてみました。
改善案① 有料観覧席の設置
アメリカ海兵隊の岩国基地や海外のエアショーでは定番となっていますが、自衛隊の航空祭では2022年度に試験導入された後は自然消滅している有料観覧席。
国内で写真ガチ勢が集まる花火大会などのイベントでは、写真撮影用の有料席が設けられるなどの取り組みがされています。航空祭でも写真撮影席や家族席など目的別に有料観覧席を設けたらいいかと思いました。
これを導入することで、お客様の熱量や目的別に分類することと、それに応じて効率的にスタッフを配置できます。また、傾向として今まで列挙した迷惑行為に出るような人は少なくより安全で快適に楽しむことができます。
改善案② チケット制の導入
チケット制は、有料観覧席に関連する形での導入を前提に考えました。事前にネットなどで購入したチケットを手荷物検査時に提示しお客様やメディアなどの区別を行います。
手荷物検査の後、会場へ入る際は様々なイベントで導入される紙製のバンドなどでお客様やメディアの区別をして、誰がどこのエリアを利用していいのか見分けることをよりスムーズにできるようにします。
改善案③ 持ち込み禁止品の取り締まり強化
三脚や脚立、アウトドアチェアなど、会場へ持ち込み禁止している物がいくつかあります。
これらは事前にHPやXなどのSNSを通じて事前に通知されますが、それでもたくさんの方が持ち込み禁止となる物を故意なのかは不明ですが持ってきています。
一部の航空祭では、誤って持ち込まれた三脚などは他の来場者に見えるように置き、いろんな方がスマホで撮影しSNSでその様子を流していました。
この効果がどれほどあったのかは分かりませんが、もう少し厳しくするならそういう物を後日基地からフリーマーケットとして没収品を出品してもいいかと思いました。
フリーマーケットなどは財源確保が目的ではなく、あくまで持ち込み禁止品の取り締まり強化の1案です。
おわりに
今回は航空祭をはじめとした航空イベントで遭遇した迷惑行為とその対処、私が思いついた改善案について紹介しました。
今までの記事と違いネガティブなお話ばかりで疲れた方も多いかも知れませんが最後まで読んでいただいた皆さん、ありがとうございました。
このようなイベントの趣旨は理解されている方も多いと思いますが、航空業界や自衛隊という職業への理解を深めてもらったり、業界認知度の向上が目的です。
これがきっかけで飛行機の世界で働く人が増えることを願ってイベントが催されています。
自分が見たいものを見たいからと言って迷惑行為を行うことは主催者側の目的に反することなので、厳しい対応をされても当然です。
改めて今回取り上げた迷惑行為を振り返ると次の通りです。
・超望遠レンズを周りを気にせず振り回す
・過剰な場所取りをする
・日傘でつつく
・人混みに乗じてセクハラをする
・人のカメラを見て機材マウントをとる
・自分の知識を展示物の警戒に立っている隊員に長時間演説する人
これらはあくまで氷山の一角なので、他にも不快になる行為をしている方はいるでしょう。
こういう方たちが減れば、より多くの方がイベントを楽しむことができますので、イベントに行き慣れない人は危機回避の参考、行き慣れた人は反省材料に役立ててくれると嬉しいです。
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