新世代の空中給油機 KC-767

こんにちは!
じょーです!!
今回は、航空自衛隊初の空中給油機KC-767について紹介します。
空中給油だけでなく長距離輸送も得意で、災害派遣だけでなく海外の演習へ参加する時も重宝しています。
実は世界的にも激レア飛行機のKC-767。そのすごいところを紐解いてみましょう!

KC-767ってどんな飛行機?
この飛行機はもともと、アメリカ空軍で活躍するKC-135とKC-10という空中給油機の後継機としてボーイング社が提案したものです。

機体は旅客機のベストセラー、ボーイング767をベースに給油装置などを追加しています。
非常に長い航続距離を活かして空中給油だけでなく、多くの荷物や人員も輸送することもできます。

提案された時点で、イタリアと日本が導入を決定。アメリカ空軍もリース契約をすることが決定していましたが、後に裏取引疑惑が発覚しキャンセルとなりました。
そのため、イタリア空軍と航空自衛隊が各4機配備して生産を終えています。

進化した空中給油システム
この飛行機以前の空中給油機(KC-135やKC-10)では、”ブーマー”と呼ばれる捜査員が、窓から目視で受油機を確認しながら給油用のフライングブームを操作していました。

これをKC-767では機体後部にカメラをつけて、その画像をオペレーター席のモニターやオペレーターがつける3Dゴーグルで受油機を確認しながら操作するシステムに変わりました。
このオペレーター席をRARO(遠隔空中給油操作ステーション)と言います。
空中給油は夜間でも行われますが、その時は赤外線カメラを使用することで視認性が向上しました。

外見から見たKC-767の特徴
ほとんどボーイング767と同じですが、機体後部の空中給油用ブームが最大の特徴です。

イタリア空軍に配備しているタイプは、主翼に空中給油用のポッドと自機に給油を受けられるよう、受油口が設けられています。

スペック
KC-767の主なスペックは次のとおりです。
全長 | 約48.5m |
全幅 | 約47.6m |
全高 | 約15.8m |
最高速度 | マッハ約0.84 |
航続距離 | 約7,200km(30t積載時) |
乗員 | 4人~8人+200人 |
特筆すべきはその航続距離で、オーストラリアのブリスペンまで無給油で飛行できます。
日本で見られるところ
航空自衛隊で4機導入し、全て第404飛行隊という部隊に配備されています。この部隊は愛知県にある小牧基地に所在しています。

おわりに
今回は自衛隊で大活躍のKC-767空中給油・輸送機について紹介しました。
この飛行機は、後に開発されるKC-46の影響で8機しか生産されなかった世界的にもレアな機体になりました。
ただ、最近の給油システムを導入するなど、この機体以降に開発された空中給油機のベンチマーク的な存在となり、最新機種の開発に反映されています。
一見地味な役割の空中給油・輸送機ですが、多くの空軍では必要不可欠な存在なのでぜひ注目してみてください!