【飛行機図鑑】アメリカ軍の象徴となるステルス爆撃機 B-2スピリット

こんにちは!
じょーです!!
いつも飛行機や自衛隊について、自分の経験談を交えながらできるだけ分かりやすくその世界をご紹介しています。
今回は、アメリカ軍を代表するステルス爆撃機B-2について紹介します。
その不思議なフォルムに隠された秘密や性能など、できるだけ簡単にまとめたので、知っている方も知らない方も是非読んでください!
B-2ってどんな飛行機?
B-2スピリットは、アメリカ空軍が運用するステルス戦略爆撃機で、ノースロップ・グラマン社が開発しました。
レーダーに探知されにくいステルス性と飛行性能を両立するため、独特の「全翼機」形状にしているところが特徴で、敵防空網を突破して目標を精密に攻撃できます。

核兵器および通常兵器の搭載が可能で、長距離飛行と空中給油により地球上ほぼどこへでも攻撃が可能です。1997年から実戦配備され、現在は20機が運用中。
製造コスト・維持費が非常に高く、1機あたりの総コストは20億ドルを超えるとも言われています。
静粛性や視認性の低さに加え、精密誘導兵器による高い命中率を誇り、アメリカの核・通常戦力の要とされています。
外見から見たB-2の特徴
B-2を外見から特徴は、飛行機らしからぬ平べったいフォルムと黒い色がその大きな特徴です。

従来の飛行機とは違い、垂直尾翼がありません。
B-2のスペック
B-2の基本スペックは次の通りです。
全長 | 20.9m |
全幅 | 52.12m |
全高 | 5.1m |
最大離陸重量 | 336,500lb(152,634kg) |
エンジン | ジェネラル・エレクトリック F118-GE-100×4 |
ペイロード | 40,000lb(18,144kg) |
乗員 | 2名(パイロット) |
B-2の代表的な搭載兵器
B-2爆撃機は通常兵器と核兵器の2種類を運用することが許された爆撃機で、通常爆薬または核が弾頭となる爆弾を主に搭載します。
・GBU-31 JDAM(Joint Direct Attack Munition):GPS誘導爆弾(2,000ポンド)
・GBU-38 JDAM:小型GPS誘導爆弾(500ポンド)
・GBU-39 SDB(Small Diameter Bomb):小型精密誘導爆弾(250ポンド)※1つのベイに複数搭載可能(最大80発)
・GBU-57 MOP(Massive Ordnance Penetrator):地中貫通爆弾(30,000ポンド)
・Mk-82/Mk-84 通常爆弾:汎用無誘導爆弾(500~2,000ポンド)
・B61 核爆弾(自由落下型):可変出力を持つ戦術・戦略核爆弾
・B83 核爆弾(最大出力1.2メガトン):戦略核爆弾、自由落下型(将来的に退役予定)
B-2専用の「バンカーバスター」
政府の重要施設の多くは、その重要性から攻撃を受けても簡単に破壊されないよう地下深くに部屋を作られます。
その対抗策として製造された爆弾が通称「バンカーバスター」と呼ばれる貫通爆弾シリーズです。

その中でも最も大きいGBU-57 MOP(Massive Ordnance Penetrator)は、全重量約13.6トン、炸薬約2.4トンを搭載する最大型GPS誘導・貫通爆弾です。
大きすぎるので、ステルス爆撃機B‑2のみ運用可能。
強力な鋼製ケースとスマート起爆装置により、数十メートルの岩盤やコンクリートを貫通後、深部の地下施設を高精度で破壊できます。
非核兵器としては最上級の貫徹力をもち、地下格納庫や指令施設などを攻撃する際に使用します。
B-2の配備基地
B-2はミズーリ州にあるホワイトマン空軍基地に全機配備されています。
ホワイトマン空軍基地には第509爆撃航空団があり、この部隊にB-2爆撃機を運用する飛行隊や整備部隊などがあります。

また、B-2爆撃機のパイロットや整備員を育成する部隊も併せて設置されています。
ちなみにB-2爆撃機のパイロットは、T-38練習機で操縦訓練を行います。

おわりに
アメリカ軍が運用するB-2爆撃機の特徴などをまとめるとこんな感じです。
・ステルス性を追求するため、全翼機というユニークなデザインを採用。
・20機が現在、ホワイトマン空軍基地で運用中。
・通常兵器と核兵器の両方を搭載し、運用することができる。
・GBU-57 MOPという現状ではB-2専用の爆弾がある。
スペシャルな機体だけに価格も非常に高い(1機あたり約11億5,700万ドル)ところも特徴の一つで、ギネスブックにも世界一高価な軍用機として記録されています。
そんな機体は、世界中を飛行しアメリカ軍の象徴としての抑止力をアピールしたり、時には精密攻撃に活躍しています。