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じょーの軍事情勢レポート 7月

joe
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こんにちは!
じょーです!!

今回は、「じょーの軍事情勢レポート」7月編!

じょーの気になる日本周辺の軍事関連ニュースについて解説します!著名な軍事評論家とは違う、現場目線の解説で多角的な視点でお話します。

中国

今月のトピック

・中国海軍艦艇の接続水域入域
・無人機(TB-001)の飛行

中国海軍艦艇の接続水域入域

7月4日(月)の朝に中国海軍のジャンウェイⅡ級フリゲート1隻が尖閣諸島の魚釣島南西側の接続水域に入域しました。https://www.mod.go.jp/j/press/news/2022/07/04a.pdf

海洋状況表示サービス「海知る」より出典
海洋状況表示サービス「海知る」より出典

日本政府はこれに対して外交ルートを通じて抗議しておりますが、中国側は「釣魚島及びその附属島嶼(日本名・尖閣諸島)は中国固有の領土だ。中国側艦艇の周辺海域での活動は正当かつ合法であり、日本はあれこれ言うべきでない。(人民網 日本語版より引用)」と主張しています。

接続水域に入ってもいいのか?

他国の艦艇が接続水域に入域し通過すること自体に制限はありません。

接続水域とは「我が国の領域における通関、財政、出入国管理及び衛生に関する法令に違反する行為の防止及び処罰のために必要な措置を執る水域」を指すからです。

今回の入域は法的にはそれらに抵触する行為とは考えづらいため、取り締まりなどは行っていないのです。

なぜ抗議をしたのか?

ご存じの方も多いかと思いますが、中国は東シナ海だけではなく南シナ海の島嶼部などでも一方的に活動地域を広げ実効支配地域を広げようとしています。

日本と同様に「大量の漁船群+中国海警の船」が活動し徐々に常態化させようとしており、フィリピンなどではその影響を受けております。

中国は現在、人口爆発や生活水準の急上昇を受けて国力の増大が必要となったことと、その際の最大の障壁となるアメリカに対抗するため「軍事力の増大+実効支配地域の拡大」を行っていると考えております。

これが日本に対して行われ始めており、今回のような行動が常態化されれば竹島のように不法上陸などが行われる可能性もあるため抗議を続けております。それ以上の行動に出ないのは中国はまだ艦艇などをさらに踏み込んだ行動をさせていないだけだからです。

無人機(TB-001)の飛行

7月25日に中国軍に所属する無人機(TB-001)の飛行を捕捉しました。領空侵犯はなかったものの、沖縄-宮古島間を通過し最終的にはバシー海峡へ向かうという前例のない飛行パターンでした。

画像:自衛隊統合幕僚監部HPより出典 行動概要

TB-001とは?

TB-001はTengdenが開発したUAVです。

@JanesINTELより出典

外見上の特徴は機体の後部がツインテールになっており、二つの胴体をつなぐように水平尾翼が配置されています。

機体のスペックは以下の通りです。

全 長10m
全 幅20m
全 高3.1m
最大離陸重量2800kg
最大航続距離6000km
最大航続時間35時間
最大速度300km/h
TENGDEN HPより出典

今回、航空自衛隊が撮影した機体を見るといくかの特徴が見えました。(画像が一部不鮮明となっている部分があるため推測の部分も含みます。)

画像:防衛省 統合幕僚監部HPより出典

それは、機体の下面を中心にセンサーらしきものが配置されております。さらに、昨年捕捉したものと製造しているTENGDENが公開している画像などを比較すると、それらのセンサーらしきものは通常のモデルから追加搭載されている可能性があります。

TB-001比較画像

搭載されているセンサーがSARなどのレーダーと考えると、高高度からの画像データ収集(IMINT)や目標位置の把握を行う偵察型と推測されます。

参考:China’s TB001 reconnaissance UAV sighted near Japanese airspace for the first time

飛行の目的

今回のTB-001の飛行は主に情報収集かと思いますが、対日本と考えると昨年飛行したように沖縄本島と宮古島の間を飛行して帰ればいいかと考えました。

しかし、下図のように今回は南西諸島の南側を経由し台湾の東岸に留まった後さらに南下しロストしました。防衛省はバシー海峡へ向かったと発表しており、その後再補足されていないことから更に西へ向かったものと推測されます。

TB-001航跡の比較 画像:防衛省 統合幕僚監部HPより出典

台湾に留まった目的はおそらく7月25日から開始された年次演習「漢光演習」の情報収集です。一般向けにも報じられている通り実弾発射も伴う大規模演習で29日までの5日間行われ、対中防衛のアピールを行っています。

そのため、中国側としてはどのような兵器がどのような流れで何発発射したのか、その精度はどれくらいなのか、参加した艦艇・航空機はどれくらいいたのか等の情報を確認したものと推測しております。

日テレNEWSより出典

ロシア

今月のトピック

・艦艇の日本一周について

艦艇の日本一周について

6月から7月上旬にかけてロシア海軍の艦艇計8隻が日本周辺で、約1か月間活動しました。

時系列と活動した経路をまとめると下図の通りです。

 上図から今回の航海は大きく2つのグループに分かれていたと推測されます。

第1グループウダロイⅠ級駆逐艦(548)、ステレグシチー級フリゲート(333、335、339)、
マリシャル・ネデリン級ミサイル観測支援艦
第2グループウダロイⅠ級駆逐艦(543)、ステレグシチーⅡ級フリゲート(337)、ドゥブナ級補給艦

特にウダロイⅠ級駆逐艦(543)、ステレグシチーⅡ級フリゲート(337)、ドゥブナ級補給艦の3隻は5月下旬にウラジオストクを離れ訓練を繰り返しながら、フィリピン・ベトナムを訪問すると非常に大掛かりな訓練航海をした様子です。

ロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」とコルベット「グレミャーシチー」は太平洋演習と東南アジア遠征を終えてウラジオストクへ帰投した
ロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」とコルベット「グレミャーシチー」は太平洋演習と東南アジア遠征を終えてウラジオストクへ帰投した

捕捉された艦艇の目的は「訓練」と称されていますが、西太平洋や南シナ海で長期活動を選択したのは昨今の情勢から日米同盟にプレッシャーをかけることと、ハワイで行われているRIMPACへの対抗かもしれません。(あくまで時期的に考慮した推測ですが・・・)

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    ブロガー
    元海上自衛隊パイロットで現在は会社員。 自衛官を辞めたら、想像以上に知らない人が多いことに気づいたので、自衛隊や飛行機に関する話を独自目線で書き始めた。
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