【エアベース紹介】航空学生始まりの地 小月航空基地

エアベース紹介

こんにちは!
ジョーです!

 航空学生に合格すると海自なら小月航空基地へ3月の中頃に着隊します。(航空自衛隊なら防府北基地)

 そして4月に行われる入隊式では、海上自衛隊の様々な航空機の祝賀飛行やホワイトアローズの展示飛行、ファンシードリルなど様々な形で祝福されます。

 さて、そんな小月航空基地ですがどちらかというとマイナーな航空基地という印象です。私も実際に小月へ初めて行くときは「どこにあるの?」、「いったいどんなところなの?」と思っていました。

そこで今回は、意外に知らない小月基地にスポットをあてて紹介します。

小月基地の歴史

 小月基地は、1940年に完成し戦時中は帝国陸軍が利用する飛行場でした。戦後は1950年まで米軍やニュージーランド軍が駐留していましたが、その後警察予備隊(自衛隊の前身)や陸上自衛隊、航空自衛隊と渡り歩き1964年から海上自衛隊の基地となりました。

 そして、1965年に第201教育航空隊、1968年に第221教育航空隊(小月教育航空隊の前身)が移動してきて現在の形になりました。

小月基地で活躍した歴代練習機

 小月基地で活躍した練習機はいくつかあり、現在活躍しているT-5はその3代目にあたる機種です。

T-34 メンター

 航空自衛隊でも練習機として活躍した機種で、海上自衛隊では1962~63年の間活躍しました。海上自衛隊の長い歴史でも唯一の縦列(タンデム)複座の練習機です。

T-34メンター練習機 海上自衛隊唯一のタンデムタイプの練習機 小月教育航空群Twitterより出典

KM-2

 2代目にあたる練習機で黄色いボディが非常に目立ちます。1962年から1998年の36年間活躍し、その後はT-5へ更新されました。T-34を改良し並列複座(サイド・バイ・サイド)とし、その後開発されるT-5をはじめとした様々な練習機のベースとなりました。

KM-2練習機 サイド・バイ・サイドの座席配置と黄色の機体が特徴。

T-5

 1989年から現在まで活躍している練習機です。KM-2をベースにターボプロップエンジンに換装するなど多くの改良を施しました。

 T-5のスペックなど詳細は下記よりご覧ください。

【航空機紹介】ルーキーを育てる T-5

現在、練習機として教育訓練やアクロバット飛行の展示で活躍しているT-5

小月基地の場所

 小月航空基地は、本州の最も西にあたる山口県下関市に所在しており、本州では最も西に立地する飛行場です。周辺は周防灘に囲まれています。

 住所:山口県下関市松屋本町3-2-1

アクセス

公共交通機関を利用する場合

最寄り駅はJR山陽本線の「小月駅」または「埴生駅」になります。
それぞれの駅を下車後、路線バス(サンデン交通)にて「松屋」または「小月自衛隊前」停留所で下車してください。
※どちらから降りても、正門までは5分くらい歩きます。

小月駅から小月基地までの道のり
新幹線を利用する方

 小月駅の最寄りになるのぞみ停車駅が「新山口駅」または「小倉駅」になるのでこの2駅からの接続について紹介します。

新山口駅を利用する場合

 JR山陽本線に乗り換えてかけて小月または埴生駅にて下車します。(所要時間:約1時間)  

新山口駅から小月駅までの道のり
小倉駅を利用する場合

 JR鹿児島本線で下関方面の電車に乗り、下関で山陽本線に乗り換え小月駅にて下車。(所要時間:約50分)

小倉駅から小月駅までの道のり
飛行機を利用する場合

 最寄りになる空港は「北九州空港」か「山口宇部空港」になります。いずれもを利用すると乗合タクシーがありますので、複数人で訪れる際は非常にコスパがいいですよ!
 ※休暇で帰省する際、同期の間でよく利用されていました。

 山口宇部空港に関しては下関方面の空港シャトルバスもあるのでアクセスがいいです。

山口宇部空港の階段
山口宇部空港の様子

自家用車を利用する場合

 中国自動車道「小月IC」で高速道路から降りた後、県道33号線に入り宇部方面へ向かいます。高速を降りてから10分ほどで到着します。

飛行場の紹介

 小月基地にはパイロットの候補生を育てる「第201教育航空隊」と「小月教育航空隊」などが所在しており、日本で唯一「T-5」練習機を運用している基地となります。
 以前は「小月救難飛行隊」という部隊がUH-60Jを運用しておりましたが、海上自衛隊の部隊改編に伴い無くなりました。
 
 滑走路は2本あり、滑走路17/35がメイン、滑走路12/30がサブという形で運用されています。それぞれの長さなどは次のとおりです。

 滑走路17/35:1,200m(長さ)×60m(幅)
 滑走路12/30:900m(長さ)×45m(幅)
 

 一般的には滑走路幅は45mのところが多い(羽田などのハブ空港は60m)ですが、訓練のため比較的余裕がある設計がされています。

小月基地の上空写真 

無線周波数

 小月基地は小さい飛行場ですが、飛行訓練を行う際は一気に10機前後がフライトを行うので、地上管制を行うグランド(GND)と飛行場周辺の管制を行うタワー(TWR)、気象情報等を発信するATISがあります。
 自衛隊の飛行場ではUHFをメインで使用するため、エアバンドレシーバーで無線を聞く際はご注意ください。

種類コールサイン周波数
地上管制(GND)Ozuki GND
(オヅキグランド)
236.8MHz、126.2MHz
飛行場管制(TWR)Ozuki TWR
(オヅキタワー)
228.2MHz、122.0MHz、302.2MHz、121.5MHz(E)、243.0MHz(E)
ATISOzuki Airport
(オヅキエアポート)
245.8MHz
小月基地に割り当てられている周波数、太字が主に使用しているもの。 AIP JAPANより引用

小月基地のイベント

 一般公開は、10月の中~下旬「スウェルフェスタ」と呼ばれる航空祭と同様のイベントがあります。
 スウェルフェスタでは、ホワイトアローズがアクロバットを行うほかにT-5が9機編隊でフライトを行います。この9機編隊は春に行われる入隊式以外ではスウェルフェスタでしか披露されませんので、一般公開されるイベントとしては1年に1度だけ披露される非常にレアなフライトです。
 また、スウェルフェスタではホワイトアローズだけではなく、地上でファンシードリルも披露されます。
 
 以前はアクロバットチームの「ウイスキーパパ」なども演技を披露していました!
 
 私が在籍していた時は、クラブ活動で培ったスキルを披露するなど学園祭のような雰囲気もありました。

 内容は盛りだくさんですが、比較的ゆったり楽しむことができるので人混みが苦手な方でも楽しめると思います。

過去に行われたスウェルフェスタの状況 小月教育航空群Twitterより出典

おわりに

 今回から新たにエアベース紹介を始めました!このシリーズでは私が在籍した海上自衛隊のエアベースを中心に全国にある航空基地について紹介していきます!

 小月航空基地は航空学生だけでなく海上自衛隊でパイロットになる人は必ず勤務するので、海上自衛隊のパイロットやTACCO(戦術航空士)全員に様々な思い出がたくさん残っています。

 そんな思い出や経験もお伝えできればと思いますので、「こんな情報も欲しい!」など要望がありましたら気軽にコメントをください!

コメント

タイトルとURLをコピーしました