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【NEWS】モバイルバッテリーの機内持ち込み制限強化について

joe
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こんにちは!
じょーです!

いつも飛行機や自衛隊について、自分の経験談を交えながらできるだけ分かりやすくその世界をご紹介しています。

今回お届けするニュースは「モバイルバッテリーの機内持ち込み制限強化について」です。

報道された内容をもとに要点や個人的意見をまとめたので、ぜひご覧ください!

この記事でわかること

・現在報道されている内容
・なぜモバイルバッテリー持ち込みが制限されているのか
・モバイルバッテリー対策の現状

現在報道されている内容

2月中旬に報道各社から、航空機におけるモバイルバッテリーの持ち込みについて、持ち込み個数を電力量に関わらず制限する方向で検討していると報じられました。

また、機内での使用も事実上禁止になるとのことです。

現在の制限状況

ICAO(国際民間航空機関)が定める国際基準に基づき、機内預け入れ荷物にモバイルバッテリーを含めることを禁止しているほか、機内持込みについても持込み可能なモバイルバッテリーの個数・容量を制限しています。

国土交通省が定めるモバイルバッテリーの機内持ち込みルール

航空法第86条に基づく義務事項
・機内預け入れ荷物へ入れることの禁止(機内持ち込み必須)
・ワット時定格量が160Whを超えるものは持ち込み禁止
(100Whを超え160Wh以下のものは2個まで)

国土交通省からの協力要請事項
・機内座席上の収納棚への収納禁止
・使用時は常に確認ができる

その他詳細は、利用する航空会社のHPに紹介されているので、搭乗前は必ず確認しましょう。(外国の航空会社を利用する場合も同様に確認してください)

航空法におけるモバイルバッテリーの立ち位置

前述した航空法第86条をその関連規則を読むと、モバイルバッテリーが航空機を運行するにあたって、どのようなものなのかがわかります。

航空法第86条
爆発性又は易燃性を有する物件その他人に危害を与え、又は他の物件を損傷するおそれのある物件で国土交通省令で定めるものは、航空機で輸送してはならない。

2 何人も、前項の物件を航空機内に持ち込んではならない。

これをより具体化した内容が、航空法施行規則第194条になります。

航空法施行規則第194条
法第八十六条第一項の国土交通省令で定める物件は、次に掲げるものとする。

一 火薬類 火薬、爆薬、火工品その他の爆発性を有する物件
二 高圧ガス 摂氏五十度で絶対圧力三百キロパスカルを超える蒸気圧を持つ物質又は摂氏二十度で絶対圧力百一・三キロパスカルにおいて完全に気体となる物質であつて、次に掲げるものをいう。
 イ 引火性ガス 摂氏二十度で絶対圧力百一・三キロパスカルにおいて、空気と混合した場合の爆発限界の下限が十三パーセント以下のもの又は爆発限界の上限と下限の差が十二パーセント以上のもの
 ロ 毒性ガス 人が吸入した場合に強い毒作用を受けるもの
 ハ その他のガス イ又はロ以外のガスであつて、液化ガス又は摂氏二十度でゲージ圧力二百キロパスカル以上となるもの
三 引火性液体 引火点(密閉式引火点測定法による引火点をいう。以下同じ。)が摂氏六十度以下の液体(引火点が摂氏三十五度を超える液体であつて、燃焼継続性がないと認められるものが当該引火点未満の温度で輸送される場合を除く。)又は引火点が摂氏六十度を超える液状の物質(当該引火点未満の温度で輸送される場合を除く。)
四 可燃性物質類 次に掲げるものをいう。
 イ 可燃性物質 火気等により容易に点火され、かつ、火災の際これを助長するような易燃性の物質
 ロ 自然発火性物質 通常の輸送状態で、摩擦、湿気の吸収、化学変化等により自然発熱又は自然発火しやすい物質
 ハ 水反応可燃性物質 水と作用して引火性ガスを発生する物質
五 酸化性物質類 次に掲げるものをいう。
 イ 酸化性物質 他の物質を酸化させる性質を有する物質であつて、有機過酸化物以外のもの
 ロ 有機過酸化物 容易に活性酸素を放出し他の物質を酸化させる性質を有する有機物質
六 毒物類 次に掲げるものをいう。
 イ 毒物 人がその物質を吸入し、皮膚に接触し、又は体内に摂取した場合に強い毒作用又は刺激を受ける物質
 ロ 病毒を移しやすい物質 病原体及び病原体を含有し、又は病原体が付着していると認められる物質
七 放射性物質等 放射性物質(電離作用を有する放射線を自然に放射する物質をいう。)及びこれによつて汚染された物件(告示で定める物質及び物件を除く。)
八 腐食性物質 化学作用により皮膚に不可逆的な危害を与える物質又は漏えいの場合に航空機の機体、積荷等に物質的損害を与える物質
九 その他の有害物件 前各号に掲げる物件以外の物件であつて人に危害を与え、又は他の物件を損傷するおそれのあるもの(告示で定めるものに限る。)
十 凶器 鉄砲、刀剣その他人を殺傷するに足るべき物件

2 前項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる物件は、法第八十六条第一項の国土交通省令で定める物件に含まれないものとする。
 一 告示で定める物件(放射性物質等を除く。)であつて次に掲げるところに従つて輸送するもの
  イ 告示で定める技術上の基準に従うこと。
  ロ 告示で定める物件にあつては、その容器又は包装が告示で定める安全性に関する基準に適合していることについて国土交通大臣の行う検査に合格したものであること。ただし、当該容器又は包装が国土交通大臣が適当と認める外国の法令に定める基準に適合している場合にあつては、この限りでない。
 二 告示で定める放射性物質等であつて次に掲げるところに従つて輸送するもの
  イ 告示で定める放射性物質等にあつては、次の(1)、(2)、(3)及び(4)に掲げる放射性物質等の区分に応じ、それぞれ次の(1)、(2)、(3)若しくは(4)に掲げる種類の放射性輸送物(放射性物質等が容器に収納され、又は包装されているものをいう。以下同じ。)とし、又は告示で定めるところにより国土交通大臣の承認を受けて次の(1)、(2)、(3)及び(4)に掲げる放射性輸送物以外の放射性輸送物とすること。この場合において、(1)、(2)又は(3)に掲げる放射性物質等のうち、(4)に掲げる放射性物質等に該当するものについては、(1)、(2)又は(3)に掲げる放射性輸送物に代えて(4)に掲げる放射性輸送物とすることができる。
   (1) 危険性が極めて少ない放射性物質等として告示で定めるもの L型輸送物
   (2) 告示で定める量を超えない量の放射能を有する放射性物質等((1)に掲げるものを除く。) A型輸送物
   (3) (2)の告示で定める量を超え、かつ、告示で定める量を超えない量の放射能を有する放射性物質等((1)に掲げるものを除く。) BM型輸送物又はBU型輸送物
   (4) 低比放射性物質(放射能濃度が低い放射性物質等であつて、危険性が少ないものとして告示で定めるものをいう。)又は表面汚染物(放射性物質以外の固体であつて、表面が放射性物質によつて汚染されたもののうち、告示で定めるものをいう。) IP―1型輸送物、IP―2型輸送物又はIP―3型輸送物
  ロ 告示で定める放射性輸送物に関する技術上の基準その他の基準に従うこと。
  ハ イ(3)に掲げるBM型輸送物又はBU型輸送物にあつては、ロの告示で定める放射性輸送物に関する技術上の基準に適合していることについて、積載前に、告示で定めるところにより国土交通大臣の確認を受けていること。ただし、本邦外から本邦内へ又は本邦外の間を輸送されるBU型輸送物のうち、告示で定める外国の法令による確認を受けたものについては、この限りでない。
  ニ 告示で定める六フッ化ウランが収納され、又は包装されている放射性輸送物にあつては、告示で定める技術上の基準に適合していることについて、積載前に、告示で定めるところにより国土交通大臣の確認を受けていること。
  ホ BM型輸送物若しくはBU型輸送物又はニに掲げる放射性輸送物にあつては、ロの告示で定める基準(放射性輸送物に関する技術上の基準に関するものを除く。)に適合していることについて、告示で定めるところにより国土交通大臣の確認を受けていること。
  ヘ 防護のための措置が特に必要な放射性物質等として告示で定めるものが収納され、又は包装されている放射性輸送物にあつては、ロの告示で定める基準に適合していることについて、告示で定めるところにより国土交通大臣の確認を受けていること。この場合において、ロの告示で定める放射性輸送物に関する技術上の基準に適合していることについての国土交通大臣の確認は、積載前に、受けるものとする。
 三 航空機の運航、航空機内における人命の安全の保持その他告示で定める目的のため当該航空機で輸送する物件(告示で定めるものを除く。)
 四 搭乗者が身につけ、携帯し、又は携行する物件であつて告示で定めるもの
 五 航空機以外の輸送手段を用いることが不可能又は不適当である場合において、国土交通大臣の承認を受けて輸送する物件
 六 国土交通大臣が適当と認める外国の法令による承認を受けて、本邦外から本邦内へ又は本邦外の間を輸送する物件
3 危険物船舶運送及び貯蔵規則(昭和三十二年運輸省令第三十号)第百十三条第一項の規定による地方運輸局長又は同項に規定する登録検査機関の検査に合格した場合は、前項第一号ロの検査に合格したものとみなす。
4 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号)第五十九条第二項の規定による原子力規制委員会の確認又は危険物船舶運送及び貯蔵規則第八十七条第一項の規定による国土交通大臣若しくは地方運輸局長の確認を受けた場合は、告示で定めるところにより第二項第二号ハ、ニ又はヘ(放射性輸送物に関する技術上の基準に係るものに限る。)の確認を受けたものとみなす。
5 放射性同位元素等の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十七号)第十八条第二項の運搬物確認を受けた場合は、告示で定めるところにより第二項第二号ハの確認を受けたものとみなす。

上記を簡単にまとめたものが下の資料です。

Screenshot
Screenshot

つまり、モバイルバッテリーで使用されるリチウム電池は危険物にあたるので、持ち込みや輸送に関して制限が設けられています。

ちなみに法的には可燃性物質に区別されます。

結論

モバイルバッテリーなどのリチウム電池製品は、航空法などの関連規則で「危険物」に該当する物品に指定されている。

モバイルバッテリー持ち込み制限が厳しくなった理由

もともとリチウム電池製品は、発熱や発火することが前例としてあったので前項のように危険物に指定されていますが、より制限を厳しくした理由が存在します。

それが、2025年1月に発生した「エアプサン391便火災事故」です。

この事故は、韓国のLCCであるエアプサン391便(香港行き)が、韓国の金海国際空港で離陸準備中に火災が発生したものです。

この事故では幸い、176名の乗員乗客が脱出できたので死者は出ませんでした。

事故の原因について韓国国土交通部は、モバイルバッテリーのショートが原因の可能性として中間調査で明らかにしています。
乗客も事故調査に関する証言で、手荷物棚からの出火を指摘しており、出火箇所からモバイルバッテリーの残骸が見つかっています。

事故直後に韓国では手荷物棚へモバイルバッテリーを置くことを禁止にしました。

この動きを経て日本でも同様の措置が取られたことは前述のとおりですが、ICAOではこの事故以前からモバイルバッテリーが発端での事故や重大インシデントが発生していることを問題視しています。

この報道を受けた意見の異常性

ここからは個人的な意見ですが、今回の一連の報道を受けた反応がちょっとおかしいと感じています。

まず、私はこの件について「安全を優先するから当然の流れ」という意見です。
便利とはいえ、たくさんの危険物が機内へ持ち込まれているのが現状だからです。

航空法第1条を読めばわかりますが、まず安全性を確保することが最優先事項として挙げられています。

にもかかわらず、報道や多くの方は「不便になることへの懸念」にフォーカスを当てているように感じます。

たまたまSNSでみたカメラマンなどは「予備バッテリー含めて2個までになると仕事にならない。どうしよう」というご意見を述べていました。

不安になる気持ちはわかりますが、安全性の向上を目的とした内容なので、この制度の変更は遅かれ早かれ実現します。

カメラという機械は、様々な機能を追加しながら進化していきましたが、どんどん制御に電力が必要となっています。

フィルムカメラでは電池がなくても写真が撮れたのに、現代のミラーレス一眼ではバッテリーが必要どころかバッテリー持ちが悪くなっている機種もあるほどです。

なので、制度への不安じゃなくて、カメラやバッテリーを作っているメーカーにご意見を述べた方がいいのではないでしょうか?

とはいえ、まだ制度整備が検討されている段階なので、オペレーションの仕方について再検討しながら動向を見守ってみましょう。

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    ブロガー
    元海上自衛隊パイロットで現在は会社員。 自衛官を辞めたら、想像以上に知らない人が多いことに気づいたので、自衛隊や飛行機に関する話を独自目線で書き始めた。
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