【元パイロットのお天気解説】 台風の基礎知識

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こんにちは!ジョーです!!

 梅雨も明けいよいよ夏本番になりました!!それと同時にやってくるのが毎年猛威を振るう「台風」です。今回はそんな台風に関して分かりやすく解説するとともに、台風への備え方や自衛隊時代の台風にまつわるエピソードを数回に分けてお話します!

 ちなみに、なんで元海上自衛隊パイロットが天気を語るかというと、飛行機や船の運航に密接に関係するためです。それは任務の実施に大きく影響が出るほどでした。また、旅客機では欠航や遅延、目的地変更等様々な影響が出ます。その判断を適時適切に行うため、パイロットには国土交通省の試験でも定める通り「航空気象」という科目があるほど天気は重要な要素になります。

台風とは?

 まず、「台風とはそもそも何者なのか?」ということについてお話します。

台風の定義

 気象庁では台風について次のように定義しております。

 北西太平洋または南シナ海に存在する熱帯低気圧のうち、低気圧域内の最大風速がおよそ17m/s(34ノット、風力8)以上のものを指します。

 つまり、台風は熱帯地方でできた低気圧のうち、風が基準以上強くなると「台風」、基準より弱いと「熱帯低気圧」と称されます。

WikiImagesによるPixabayからの画像

台風の区分

 台風は、「風の強さ」とその「大きさ」で区分され、天気予報ではそれらの区分を組み合わせて表現します。

風の強さから見た表現

 風の強さに応じて台風は「TS」・「STS」・「TY」という階級と「強い」・「非常に強い」・「猛烈な」の3つの前置詞がつくようになります。その基準が以下の通りとなります。

階 級最大風速
TS(Tropical Storm)およそ17m/s(34ノット)以上 25m/s(48ノット)未満
STS(Severe Tropical Storm)25m/s(48ノット)以上 33m/s(64ノット)未満
TY(Typhoon)33m/s(64ノット)以上
気象庁HPより引用 英文で報じる場合に使用する
区分最大風速
強い33m/s(64㏏(ノット))~以上44m/s(85kt)未満
非常に強い44m/s(85㏏)以上~54m/s(105㏏)未満
猛烈な54m/s(105㏏)以上
気象庁HPより引用

大きさから見た表現

 大きさから見た(半径の距離の長さ)区分は「大型(大きい)」「超大型(非常に大きい)」の2つに分けることができます。

階級風速15m/s以上の半径の距離
大型(大きい)500km以上~800km未満
超大型(非常に大きい)800km以上

 この階級を地図に合わせると以下のようになります。

気象庁HPより出典

 上図を見ると「大型」の台風は岩手・秋田県あたりから関西をカバーするくらい、「超大型」の台風は本州全体をすっぽりと納めるくらいの大きさですね。

台風の構造

 台風は中心部の「アイウォール」、その周りを囲む「スパイラルバンド」、さらにその外側を囲む「アウターバンド」で構成されており、それぞれが積乱雲(いわゆる入道雲)に発達しているため激しい雷雨をもたらします。

tenki.jpから出典

台風の目

 台風の中心にある、風が弱く雲のない部分のこと。直径は約20~200kmと言われており、一般的に台風の目が大きいほど強い台風と言われています。

アイウォール

 台風の眼を囲うようにある背の高い雲。非常に発達した積乱雲で形成されており、その下では猛烈な暴風雨となっています。台風で最も発達している部分になります。

スパイラルバンド

 アイウォールの外側の雨雲。その下では激しい雨が連続的に降ります。この雨雲域を「スパイラルレインバンド」とも呼びます。

アウターバンド

 スパイラルバンドの外側で約200~600㎞にわたって存在する雨雲。断続的に激しい雨や雷雨があり、時には竜巻が発生することもあります。 

台風の一生

 台風はその成長段階から「発生期」・「発達期」・「最盛期」・「衰弱期」の4つの段階に分けることができます。日本に接近する台風は主に「最盛期」と「衰弱期」にあたる場合が多いです。

発生期

 赤道近くで発生した積乱雲(入道雲)が多数まとまって渦を形成することで低気圧になり、さらに発達することで台風へ成長する段階を指します。

 よくニュースなどで「台風〇号が発生しました。」と報じられるタイミングまでが発生期です。

気象庁HPより出典 発生期の台風

発達期

 台風となってから、中心気圧が下がり勢力が最も強くなるまでの期間を発達期といいます。暖かい海面から供給される水蒸気をエネルギー源として発達し、中心気圧はぐんぐん下がり、中心付近の風速も急激に強くなります。

気象庁HPより出典 発達期の台風

最盛期

 台風が最も強い期間、中心気圧が最も下がり最大風速も最も強いので接近するととにかく危険!この時に日本に上陸することが多い・・・

気象庁HPより出典 最盛期の台風

衰退期

 日本へ上陸または接近すると、それまでエネルギー源としていた水蒸気が、陸地に上陸したり海水温の低下の影響で供給量が減ります。そのためエネルギーを放出し続けた台風は弱くなり「熱帯低気圧」や「温帯低気圧」に変わります。

 しかし、この時強風域は広がり拡散しながら「熱帯低気圧」などに変化していくため災害が広範囲にわたって起こる可能性もあるため、油断してはいけません。

気象庁HPより出典 衰退期の台風

まとめ

 今回は台風の基礎知識についてお話しました。

復習すると

1:台風は熱帯低気圧の一種で、最大風速が17m/sを超えるもの
2:風の強さや大きさによって区分がある。
3:台風は「台風の目」、「アイウォール」、「スパイラルバンド」「アウターバンド」で構成される。
4:「発生期」、「発達期」、「最盛期」、「衰退期」の段階があり、日本には最も強い最盛期で上陸することが多い

ということでした。

 台風に限らず、日本は四季折々の気象現象がたくさんあります。もし、気になったら下記の本などが非常に分かりやすく解説されていますので、ぜひ読んでみてください!

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